トレッキングやエンデュランスを含む長距離走行競技は、乗馬の原点である
「ウマの長距離移動」を競技として体系化したウマスポーツの一つである。
それだけに、競技会として実施される長距離走行競技には、
ウマを用いるすべてのスポーツの基盤となる様々な要素が盛り込まれ、
あらゆるウマスポーツの健全な発展には不可欠な基本的競技スタイルとして、
国内での安定的な発展と普及が望まれる。
特に、高度な騎乗技術を要する他の馬術競技会では、
その騎乗技術の向上にのみ関係者の耳目が向けられる傾向が強く、
騎乗するウマの「生き物としての基本的な生理学」がやもすれば
疎かにされがちであるが、
獣医学的な検査を乗り越えてゴールを目指す長距離走行競技では、
騎乗技術の有無よりも前に、
まずは騎乗馬のコンディショニングやフィットネスの維持が勝つための絶対条件として
設定されており、
ウマを「生き物」として認識して初めて成功を収めることができる競技であるところに、
その特異性があるといえる。
その一方で、競技である以上、時には勝敗を意識して、
限界へ挑戦という人馬への無理も強いられることから、短時間のうちにスピードや高さ、
華麗さを競う他の馬スポーツとは異なり、
選手には競技中に大いなる克己心や自制心が求められる競技でもある。
ウマスポーツ憲章の精神に則り、競技馬のウェルフェアを維持、尊重することは、
すべてのウマスポーツ関係者にとっての基本的な遵守事項である。
長距離走行競技は、その精神を最も反映させた
競技としてルールが設定されていることから、
この競技の普及は、乗馬愛好家にとって、ウマが生き物であることを学び、
ウマのウェルフェアを基本においたホースマンシップを身に付けるための
最も適切な競技スタイルである反面、初心者を含めて、
比較的誰でも気軽に参加できることから、
ウマと選手自らとが、勝負を焦る余り、結果的には危険性を認識しないまま、
競技に臨み、本来の競技ポリシーとは裏腹に、
過剰な負担が人馬にかかっている危険なケースも少なくない。
すべてのウマスポーツの基本となるべきこの
競技の安定的な発展を期するためには、
競技中の人為的な事故を極力未然に防止し、
競技の安定性をアピールすることが大切である。
特に普及ばかりに目を向けた安易な競技ルールの導入は、
むしろ将来に大きな禍根を残すものとして避けるべきであり、
安全性を第一義とした競技会実施内容の検討・整備こそが、
本競技の創生期である現段階であるからこそ、
何よりも優先されるべきであろうと思料される。
その他の競技
国際的にみると、耐久力を競うエンデュランスや、決められたコースを
1頭から6頭の馬にひかせた馬車で走り、タイムと技量を競う
馬車競技(ドライビング)や、軽快な服装の子供が、馬具を付けていない
裸馬に乗ってアクロバットのような技を披露する軽乗、
未調教の荒馬を乗りこなすロデオという競技などがあります。
愛知県乗馬
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